伊沢拓司『勉強大全』感想
読みました。勉強記録のために始めたブログがただの読書記録になっている。。。
読むきっかけ
- 伊沢拓司が割と好きだった
- 受験以外でも役に立つらしく、うまく知識をみにつけるための力をつけたかった
気になったポイント
- ホントのところ「本番で点数を取る」なんてのは、人生ベースで見ると大したことではありません。 むしろ大事なのはもうひとつの目的「目標となる大学に合格すること」、そしてその先にある「その大学で自分が何をするか」です。
- 半ば強制的に壁が立ちはだかり、それをどう攻略するかを考えなければいけない「受験」という制度は、いつか必要になる自己分析の機会を無理矢理にでも創ってくれる、という点で価値がある。僕はそう考えています。
- 「勉強法」とは「最短の努力で合格にたどり着くためのベクトル」のことです。
- 合格のためには勉強法も努力量も必要
- 勉強法の方向性が合っていないと、余分な努力が必要
- 勉強法の方向性が合っていても、努力が足りなければ合格できない
- 勉強法は目標との距離感を測りつつ常に見直し続けるもの
- 目指す目標によって、求められる勉強法は変わってくる
- まずは、等身大の自分を確認し、すこしだけ背伸びしてみる。背伸びが板についてきたら、もう少し高く。それを繰り返し、できる範囲を少しずつ広げていった先に、成長した自分があるはずです。
- 受験は、リスクです。人生におけるいくつもの選択肢を消し、大学に行って身を立てようというリスクを負う行為です。 決して、安全に人生を進めるための行為ではありません。消えていった選択肢のことを考え、あなたが他のことをせずに捻出した時間のことを考えた時、今進めようとしている人生の一大プロジェクトの重みを感じませんか?
感想
単なる勉強テクニックに流れるのではなく、そもそもなぜ受験するのか?からきちんと語られているのがすごく好印象で腑に落ちる説明でした。確かに今後の人生を大きく左右する出来事にはほかなりません。しかし、この時代、大学に入ったところで何も与えられませんし、なにか特別なことでもありません。(2010年代において大学の進学率は50%超で推移しています)
なのになぜ受験するのか?世間体?親からの期待?将来のため?その答えはもちろんなんだっていいはずです。しかしなにより大切なのは本人が納得して受験に取り組むこと。でないといくら勉強法を語ったところで身につかないし、役に立ちません。
「受験はリスク」とまで言う筆者ですが、同時に「受験も悪くないよ」とも言っています。これはそのとおりだと感じました。自分も振り返ってみても辛いことのほうが多かったような気がしますが、今となってはいい思い出です。(まぁ、自分の場合は受験そのものが役に立った、というよりはその先の大学生活が役に立った、というほうが正しいですが。。。)
勉強法を合格にたどり着くベクトル、と例えていましたが、これは勉強だけではなく他のことにも言えると感じました。
例えば仕事だって何らかの成果(アウトプットとも言いかえられるでしょう)を出すためには適切な方向に適切な努力が必要となります。方向がずれていれば無駄な時間や労力がかかり、いくら効率的にやっても単純にマンパワーが必要なときだってあります。一方で、間違っていたとしてもメンバーとうまく連携が取れていれば多少の修正は聞きますし、上司やクライアントによって求められるものは千差万別です。
単純に他人と比較するのではなく、あくまで自分の立ち位置、能力を見据えて、今日よりも明日、明日よりも明後日、と地に足のついた成長が大切だとも語られる本書は辛く感じてしまう受験生活を一緒になって支えてくれるバイブルになる、そう感じました。
後半はより具体的な勉強法になっていたので、ひとまずは割愛。さすがにもう国語の勉強法はそこまで重要じゃないので。。。
いやー面白かったですね。もう受験なんていらないような大人が読んでも学びがあるんじゃないかと思いました。